ワードプレスのバックアップや引っ越し、元サイトを使いまわすときにとても便利なプラグイン「All-in-One WP Migration」。とても便利なプラグインなのですが、特に以下の例で「インポートやエクスポートに失敗する」ことがあります。
WP-Migrationでエクスポート&インポートに失敗する例
- エクスポートしたデータが1Gを超えているとき
- エクスポートしたデータが壊れているとき
- インポートする方のワードプレスの「最大アップロードサイズ」が小さいとき
経験からいうと、エクスポート&インポートしたいサイトのデータ量が多い場合に失敗することが多いです。また、エクスポートしたデータが壊れていると(うまくエクスポートされていない)と、サーバーのフォルダ内に文字化けしたフォルダが多くできていて、手動で削除できない!なんてこともあり、沼にはまります。
WP-Migrationでエクスポート&インポートに失敗すると起こり得る症状
- インポートは終わるが、インポートはされていない上、ワードプレスインストールフォルダに文字化けしたデータが多数入っている
- 「ブラウザのウィンドウを閉じないでください。インポートが失敗します。」の画面でマークがクルクル回ったまま動かなくなる
- データは入ったようだが、インポートされていない画像がある(メディアライブラリ内の画像が少ない)
WP-Migrationでエクスポート&インポートが失敗するときに試してほしいこと
WP-Migrationで失敗するときに、以下のことを試してみてください。
まずは、大前提としてサーバーのアップロード上限はクリアになっているか、の確認です。
1.インポート先のワードプレスの最大アップロードサイズを上げる
もう、こちらの問題はクリアになっている方は先に進んでいただいてOKです。
ワードプレスには「アップロードできるデータのサイズに上限」があります。
つまり、画像や動画など、大きいサイズのデータはアップロードできない、仕様になっているのです。
これは使っているサーバーによって異なりますが、手動で上限を開放することができます。(解放したからといって絶対インポートに成功する、というわけではありません)
自分のワードプレスの最大アップロードサイズはどのくらいなのか確認する
一番簡単なのは、ダッシュボードのメディアライブラリです。
ダッシュボードのメニュー→「メディア」→「新しいメディアファイルを追加」に進みます。
新しいメディアをアップロードするエリアの下に「最大アップロードサイズ」が記載されています。
こちらのサイズが、All-in-One WP Migrationで吐き出したデータよりも小さいとアップロードができません。
ヘテムルの場合:ヘテムルはデフォルトでは最大アップロードサイズは100MBです。小さいサイズなので、上限をアップする必要があります。128MBまでしかアップできない、と解説している人もいますが、私はこちらの方法で限界突破しましたので参考にしてください。
エックスサーバーの場合:エックスサーバーは何もしなくても1GBです。
1GBあれば大体は問題はないと思うのですが、大規模サイトですとAll-in-One WP Migrationのエクスポートデータも3GBくらいあるときもザラにあるので、手動でアップする必要があります。
ロリポップの場合:ロリポップもデフォルトでは最大アップロードサイズは100MBです。こちらも上限をアップする必要がありますが、使っているプランによっても対応策が異なりますが、「htaccess」で記述することで対応できます。
エックスサーバー・ロリポップ・さくらサーバーでの上限アップの方法はこちらを参考にしてください。
では、アップロードサイズの上限はクリアされていることを前提に話を進めます。
現段階で「エクスポートは済んでいて、インポートに失敗する」または、「インポート後にインポートされていない、または変なデータが出来てしまっている」という方はエクスポートデータの作り直しから行ってください。
一度インポートを試してみたけれど、インポートされていないようだ、という方はお手数ですが、FTPからインポートサイトのフォルダ階層を確認してください。見た目では分からなくても、プラグインフォルダやワードプレスが入ったフォルダに『インポート途中』のデータが残っている場合があります。その際はフォルダの「更新日時」を見ながら、不要なデータを手動で取り除いていくか、一旦ワードプレスを入れたルートフォルダを削除して、まっさらな状態からやり直すことをおすすめします。
↓こんな風に変な名前のフォルダやデータが大量にできているときがあります。
2.元サイトからのエクスポートをやり直す
インポートに失敗するのは【エクスポートしたデータに問題がある】場合が多いです。
ここは、面倒でも一度エクスポートからし直してください。
失敗しないためのエクスポートのコツがあります。
1.ワードプレスの「ツール」→「エクスポート」から投稿・固定ページ・メディアなど各種データをエクスポートしておく
All-in-One WP Migrationを使わなくても、ワードプレスの機能にて投稿、固定ページ、メディアなど各種データをそれぞれエクスポートできます。All-in-One WP Migrationは「サイト丸ごと複製」できるため、便利ではありますが、その中でもし何か一部が漏れてしまっても対応するため、それぞれ単体のデータも保持しておいた方が安心です。
ツール→エクスポートに進むと、どのデータをエクスポートするのか選択できます。
ここは「すべてのコンテンツ」にするのではなく、投稿、固定ページ、メディアと消えたら困るデータを一つずつエクスポートしていくことをおすすめします。
「エクスポートファイルをダウンロード」ボタンを押すと、日時の入った同じ名前のデータが生成されてしまうので、投稿なら「toukou」、固定ページなら「kotei」など、それぞれ判別ができる名前をつけて保存しておきましょう。※このデータは使わないかもしれませんが保険です。
2.WP-Migrationでエクスポートする前にプラグインやテーマを整理する。特にセキュリティや他のバックアッププラグイン、キャッシュ系は「無効化」する
使っているプラグインが多かったり、使ってないのに入ったままのプラグインやテーマがある場合、エクスポートデータが肥大します。
All-in-One WP Migrationでエクスポートデータを吐き出す前に、一度「プラグイン」やテーマページへ行き
- 使っていないプラグイン・テーマは削除する(テーマはWPが公式に出しているテーマは一つだけ残しておいて)
- 使っていても、一時的に「無効」にしても良いプラグインは無効にする
- 特にセキュリティ系、キャッシュ系、バックアップ系プラグイン(All-in-One WP Migration以外)は無効にしておく
という感じで整理整頓しておきましょう。
エクスポートデータを軽くできます。
3.エクスポートするときは通信環境をよくするため、ひとつのブラウザに集中する
これはあくまで私の経験なのですが、All-in-One WP Migrationのエクスポートをしている際に、いくつもブラウザを立ち上げて、いくつもページを開いている状態で行うと、エクスポートやダウンロードに時間がかかったり、エクスポートデータが破損していたりする場合がありました。
したがって、エクスポート&ダウンロード中は開いているページは1枚にして、他の通信をしないようにしましょう。
また、使うブラウザもFirefoxだと失敗するけれどもChromeならOKということもありました。(たまたまかもしれませんが)
なので、私はChromeで1枚きり開き、エクスポート&ダウンロードに集中します。
※エクスポートからデータダウンロード最中は動画の再生などしないでおいてください。
4.エクスポートするでデータをなるべく軽くするため、2種類のデータを生成する
エクスポート→インポートをする際に、インポート画面でクルクル回って途中で止まってしまい、データをインポートできない、という時は大体エクスポートのデータが大きいことが理由です。
したがって、サイトのエクスポートデータは2種類用意しておきましょう。
Aすべて込データ(従来通り)
All-in-One WP Migrationのエクスポートページから従来通り、エクスポートファイルを吐き出しておきます。
エクスポートされるデータ名は「ドメイン-日付-文字列-文字列.wpress」ですが、すべて込みのデータであることを覚えておいてください。※リネームしても問題ありません
B必要なもののみのエクスポートデータ
All-in-One WP Migrationのエクスポート画面で「高度なオプション」を展開します。
すると、エクスポートするデータを選択できますから、この中でエクスポートしなくてもいいデータをチェックしてエクスポートデータを軽くしましょう。
一番効果があるのは「メディアライブラリをエクスポートしない」です。
こうすることで画像データがエクスポートされなくなりますが、データベース内には記録が残っており、手動で画像データも引っ越しできますから安心してください。
もし、心配ならばメディアライブラリありなしのパターンで複数生成してもOKです。
これで、Aすべて、B必要なデータに絞ったデータ (Cメディアライブラリなし)と数種類のエクスポートデータが生成されたと思います。
それぞれのデータ容量はどうだったでしょうか?おそらくA~Cに行くほどに軽くなったのではないでしょうか?
思ったよりも大きい容量だった場合、当ページの「1.インポート先のワードプレスの最大アップロードサイズを上げる」で間に合っているか確認してください。
3.インポートを再度試す
次に移行したい新サイトへ移動します。
新サイトにも「All-in-One WP Migration」は有効化されていると思いますが、もしまっさらから始めていたら、インストール&有効化しておいてください。
一度まっさらな状態でバックアップを取っておく
新サイトの方のデータを引っ越しする前の真っ新な状態もAll-in-One WP Migrationを使ってバックアップを取っておきましょう。
中はほとんど入っていないので、とても軽いデータが吐き出されるはずです。
これは、もしこれからインポートする旧サイトのデータがうまくインポートできなかった時でも「真っ新な状態に戻す」ことができます。
また、同じサイトではなくても、他のサイトであっても「真っ新データ」として共有できるデータになるので取っておいて損はないです。
インポートをし直す&複数のデータを試す
とうとうインポートの手順までやってきました。
新サイトにてAll-in-One WP Migration→インポートへ進みます。
この時、インポートボックスの下の「最大アップロードファイルサイズ」が意図した数値になっていることを確認してください。
インポートデータは、Aから試します。
Aデータを読み込んで、通常通りに進み、データの移行も問題なく終われば完了です。
「ブラウザのウィンドウを閉じないでください。インポートが失敗します」という表示が出て途中で止まる場合
通常、どんなに大きいデータであってもインポートにかかる時間は数分です。
もし、「ブラウザのウィンドウを閉じないでください。インポートが失敗します」とクルクル回るマークが出たまま、動かなくなったら失敗している可能性が高いです。
この画面は大きいデータであっても、数分のはずです。
この画面になったままウィンドウを閉じず、就寝し、朝になってもこの画面だったということがあります。
したがって、10分以上この画面のままだったら、仕方ない。一旦ブラウザを閉じてしまいます。
再度ワードプレスにログインをして、何も変わってない真っ新な状態かどうか確認します。(念のためFTPから新サイトのフォルダ構造なども確認してください)
もし、中途半端にデータの移動がある場合は、焦らずに最初に取った「真っ新データ」を使って真っ新にリセットします。
次にBデータをインポートします。→成功ならOK。
ダメならCデータ・・と複数データを試していきます。
どうしても「ブラウザのウィンドウを閉じないでください。インポートが失敗します」とクルクル回るマークが出たまま動かなくなってしまう場合、その画面を開いたまま、別のブラウザから新サイトへログインを試みます。
すると、エラーメッセージが表示されている場合があります。
例)Fatal error: Call to undefined ・・・など
そういったエラーメッセージは、「どこがダメなのか」を教えてくれていますので、解決の糸口になります。エラーメッセージを解析します。プラグイン名が出ていたら怪しいですので、新サイトへFTPでつなげて、「wp-content」→「plugins」から対象のプラグインのフォルダを「削除」しましょう。
そして、インポートをしている画面が動き出すかどうか確認します。
これを繰り返して、何がエラーで引っかかっているのかを探していきましょう。
プラグインデータを削除するのが怖い人もいますが、プラグインは後から入れ直せばいいので、怖がらなくてOKです。
データのインポートが完了したら、削除したプラグインやエラーが出ていたプラグインを一旦削除→再インストールするなどして、環境を戻していってください。
データ移動はできたがメディアファイルがない場合
上記のようにすべて込のAデータがダメで、BデータかCデータをインポートし、メディアファイルがないデータなら入る、という可能性が多いにあります。
ダッシュボード→メディアからメディアファイルを確認した際、画像が入ってない、または明らかに少ない、という場合は、以下を試してみてください。
プラグインの「Bulk Media Register」を使います。
インストール→有効化しますと、ダッシュボードのメニューに「Bulk Media Register」のメニューができます。
ここの一括登録や選択登録とすると、サーバー上のファイルを検索してくれて候補を出してくれますから、見つかったら「登録」として追加していきます。
もし、「Bulk Media Register」でも画像が見つからなかったら
ワードプレスのメディアライブラリ画面で、使っているはずの画像が見つからない場合、復活させる方法は2つあります。
1.元サイトからバックアップデータの「メディア」を読み込む
旧サイトでバックアップデータを取った際に、ダッシュボード→ツール→エクスポートで「メディア」を残していたはずです。そのデータを今度はワードプレスの機能を使ってインポートします。
ダッシュボード→ツール→インポートへ移動し、「WordPress」を「今すぐインストール」とします。
するとリンクが「インポーターの実行」と変わりますので、クリックします。
この画面で「保存していたメディアファイル」を選択してインポートをします。
無事インポートが済んだ後、一度メディアライブラリを確認してみてください。
この画面でなかったら上記の「Bulk Media Register」を再度使ってみます。
2.元サイトからメディアファイルをダウンロードしてきてFTPで手動アップロードする
元のサイトにFTPでつなげ、メディアファイルを丸っとダウンロードしてきます。メディアファイルは「wp-content」→「uploads」フォルダにあるので、フォルダ丸ごとダウンロードしてきます。
画像が多い場合、ダウンロードに時間がかかるかもしれません。
ローカルにダウンロードしてきたフォルダを今度は新サイトの「uploads」へFTP上でアップロードします。
すべての画像をアップロードしたのち、再度ワードプレスの「メディアライブラリ」を確認してみてください。メディアライブラリに入っていればOK。
この画面でなかったら上記の「Bulk Media Register」を再度使ってみます。
All-in-One WP Migrationでインポートに失敗しないためのまとめ
All-in-One WP Migrationはとても便利なプラグインですが、もし失敗してしまったら絶望にも似た感情になります(笑)
でも、大丈夫。絶対突破口はあります!
インポートに失敗しないコツをまとめます。
これだけやればきっと成功できると思いますが、もしどうしてできない場合・・連絡ください(笑)
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