ワードプレスのサイトヘルスステータスに「1件の致命的な問題」が出ており、現在使っているワードプレスのMySQLが古いからアップをしてね、というようなアナウンスが出ていました。
以前から表示されていたのですが、MySQLのバージョンアップはデータベースの移動ということで結構慎重に行わないといけない作業でもあります。
現在使っているMySQLのバージョン:5.0.96
サーバー:ヘテムル
ワードプレスのバージョン:6.4.5
データベースのバージョンが古いとはいえ、使用感としては特に問題はなかったのですが、しかし、ワードプレス自体の更新をしようとすると、ワードプレスの新バージョンにするにはMySQLが5.5.5以上が必要なのに対し、あなたは5.0.96だからできないよ、と出てしまい、ワードプレス自体の更新もできなくなってしまいました。
これでは、やはり無視はできなくなってきますね。
ということで、重い腰を上げてヘテムルのMySQLのバージョンアップ作業を行います。
(そういえば、他のサーバーでMySQLのバージョンアップをしたことがないのですが、自動でやってくれているのかな?いつもヘテムルなんだよなー・・と思ったら、他のサーバーって「MySQL移行ツール」のようなアシストツールがあるのですが、ヘテムルはないので手動なんですね)
もしも、同じ状態の人がいたら一緒にやってみてください。
ワードプレスの内容をバックアップする
まず、データベースの移行が失敗すると怖いので、ワードプレスを丸々バックアップを取ります。
この作業は、データベースの移行作業において、絶対やらないといけないわけではないのですが、経験上「バックアップ取っておけばよかったぁ~」という場面を知っているので保険のために行っていきます。
バックアッププラグインをインストールしバックアップする
①ワードプレスのバックアップはAll in One Migrationを使っていますので、プラグインをインストールしてバックアップを取りましょう。これは保険のようなものです。
https://ja.wordpress.org/plugins/all-in-one-wp-migration/
②All in One Migrationを有効化するとダッシュボードに表示されるメニューから「バックアップ」を選びます。
③画面上にはこういった画面が出てバックアップが進みます。このとき、あんまりいろんな種類のブラウザとか立ち上げていると遅かったり、バックアップに失敗することがあるので注意です。
④こういった画面が出たらボタンを押すとバックアップデータをダウンロードすることができるので、パソコンの任意の場所に保存しておきます。このデータは使わない可能性もあります。何かあったときの保険として考えてください。
当サイトは記事投稿時点で508MBです。割と多めなので、もしこのデータをインポートする際は、サーバーのアップロードデータ量の上限を上げないといけませんが、それはまた別のお話・・。
記事類も一応バックアップを取る
コンテンツのバックアップ
何かあっては怖いので、一応記事のバックアップも取ります。
①今度はダッシュボードの「ツール」から「エクスポート」へ進みます。
②「すべてのコンテンツ」にして、「エクスポートファイルをダウンロード」します。
③拡張子.xmlのデータがダウンロードされるので、これもパソコンの任意の場所に保存しておきます。このデータも保険です。
ワードプレスが使っているデーターベースの内容を調べる
移行したいワードプレスのデータベース名、ユーザー名、パスワードを調べます。
ヘテムルの管理画面から「ワードプレス簡単インストール」でインストールした場合はデータベース名だけならわかりますが、パスワード類は記載がないので直接ワードプレスのインストールデータを確認した方が早いです。
確認するデータは、ワードプレスのディレクトリ内にある「wp-config.php」です。
FTPでつなげたり、ヘテムルFTPから見てもいいですが、プラグインの「WP File Maneger」を使うとワードプレスのディレクトリをワードプレス上で閲覧できるので便利です。
ワードプレスのダッシュボードからFTP風の操作性でディレクトリの中を見ることができます。
「wp-config.php」を選択してプレビューしてみます。
するとワードプレスのデータベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名など使用データベースの記載があるので、控えておきます。※プレビューでも選択&コピーができます。
次にヘテムルの管理画面へログインをし、データベースをエクスポートする
管理画面のサイドメニューから「データベース」を選択しますと、左側にデータベース一覧が表示されます。複数ワードプレスやデーターベースを使うCMSなどを使っている場合は、こちらの一覧に複数表示されるはずです。
対象のデータベースの「phpMyAdmin」ボタンを押します。
このような画面が出るので、先ほど控えたユーザ名とパスワードを入力して「実行」をします。
ログインができたら、上のメニューから「エクスポート」へ進みます。
サイドにデータベース名が表示されていると思うので、選択したのち、上のメニューの「エクスポート」へ進みます。
エクスポート方法などが表示されます。
エクスポート方法:詳細
を選択し、その後は特に何も変更せず、一番下にある「実行」ボタンを押します。
すると、拡張子「.sql」のデータがダウンロードされるので、パソコンの任意の場所に保存しておきます。
※このデータベースは安定した動作を確認するまで削除せず残しておきましょう。
ヘテムルのデータベース一覧画面にはメモが残せるので「修正」リンクを押してメモ書きを残しておきました。
ヘテムル画面から新規のデータベースを作りデータをインポートする
新しいデータベースを作る
次に新しいデータベースを手動で作ります。
①ヘテムルのデータベース画面で「データベース作成画面へ」ボタンを押します。
②データベース名とパスワード、メモを記載してデータベースを作成する
データベース名もパスワードも任意ですが、データベース名は16文字まで、パスワードは8文字以上15文字以内とされています。
データベース名は、すでにある文字列だと「使用不可」のアナウンスが表示されます。
データベース名の前には“_”アンダースコアが必ず入る仕様なので、データベース名の一番初めに入力するとNGが出ますから、アンダースコア抜きの文字列で始めましょう。
ここに入力した内容はどこかに控えておきます。
また、画面上でメモが残せますから新しいDBであることが判別着くようにメモを残しておきます。
最後に「データベースを作成する」ボタンを押します。
新しいデータベースの管理画面(phpMyAdmin)に入る
①新しく作ったデータベースがデータベース一覧に出るので「phpMyAdmin」ボタンを押します。
②ユーザ名は先ほど作った「データベース名」※アンダースコアを入れます、パスワードは先ほど作った「パスワード」です。
③ログインができると管理画面が表示されるので、
③-1サイドバーに表示されている新しく作ったデータベース名を選択
③-2上のバーに表示されている「インポート」を選択
④ファイルを選択のボタンを押し、バックアップをした古い方のファイルを選択します。拡張子は.sqlのはずです。
⑤画面下の方の「インポート」を押します。
⑥インポートは正常の終了しましたと出たら成功です。
データ量にも寄るでしょうが、インポートにかかった時間は体感で5秒程度でした。
wp-config.phpを改変して繋ぎ先のDBを変更する
これで古いデータベース内のデータを新しいデータベースへ移動したわけですが、ワードプレスはまだ古いデータベースにつなげたままです。
これを新しいデータベースへつなげます。
データベースの繋ぎ先は「wp-config.php」に記載されています。
バックアップを取るときに一度参照したデータですね。
通常はワードプレスのデータ類が入っているディレクトリに入っているはずです。
このデータに手を加えていきます。
可能ならFTPにつなげて古い「wp-config.php」をバックアップ。複製して新しく手を加えたものをアップロードとすると安心です。
FTPが分からない方はヘテムルの管理画面からヘテムルFTPを使うと良いでしょう。
私の場合は、wp-config.phpを一度パソコンに落としてきて、旧データは残して置き、旧データを複製したものをテキストエディタ(Tepaエディタなど)で開き、改変。保存。(保存形式の文字コードは「UTF-8N」)
手を加えるところは以下の4つです。
すべて新規で作った新しいデータベースの内容に書き換えます
①データベース名:新しいデータベース名
②データベースユーザ名:新しいデータベース名
③データベースのパスワード:自分で作った新しいパスワード
④MySQLのホスト名:新しくつくったデータベースのサーバー名
どれがどれだかわかりにくいですが、新しく作ったデータベースをヘテムル管理画面のデータベース一覧と照らし合わせてコピペしていきましょう。
③のパスワード以外は記載されている内容です。
書き換えたら、上書き保存をすると、ワードプレスのデーターベース参照先が変わります。
ワードプレスのデータベースつなげ先が変わったか動作確認する
データベースの記載を変えたからといって、どこからか通知が来たり、アナウンスが表示されたりすることはありませんので、おかしなことはないか確認する必要があります。
ワードプレスにログインをしてサイトヘルスを確認する
ワードプレスを構成する内容は「サイトヘルス」に記載があります。
ダッシュボード→ツール→サイトヘルス→情報
「データベース」のところを展開し、データベースのユーザー名やデータベース名が新しいものに代わっているかを確認しましょう。
サイト全体を読み込み直し、表示確認や投稿記事などを確認する
繋ぎ先が新しいものに変更されていることを確認したら、サイト全体を読み込み直したり、投稿記事を開いてみたりして目視チェックをします。問題がなければ、データベースの移行は完了です。
データベースの保存から新データベースのインポートまでにタイムラグがあり、その間にワードプレスに入れていた記事などは、当然消えます。記事作成途中だったものなど、文章が消えているものはないか確認してみてください。軽微なものが消えていたとしても、元に戻したり行き来せず、できれば新データベースのまま、やり直した方が時間を削減できます。
データベースが新しくなったことによって可能になるプラグインやワードプレスの更新をしてみる
データーベースのバージョンが新しいものになると、プラグインの更新やワードプレスの更新が可能になる場合があります。折角なので動作確認の一環として、ワードプレスサイト自体のメンテナンスを行ってみましょう。
データベース移行の注意点
古いデータベースは自動では削除されない。数か月後に削除しましょう
使わなくなったからといって古いデータベースが自動はサーバー内に残り続けます。
ヘテムルはデータベースを100個まで作れますから、残っていたとしても困ることは少ないと思いますがあとで「これなんだったけ?」と把握できなくなってきますので、動作確認をし、数カ月新データベースで運営をした後、旧データベースに戻すことはない、と判断したならば、数カ月後に削除しましょう。そのためにメモ書きにメモを残しておいて、分かるようにしておきましょう。
データベースの削除はデータベース一覧から「削除」ボタンを押すことで削除できます。
簡単インストールの内容と照合が取れなくなる
もしも、データベースを変更したワードプレスが、ヘテムルの簡単インストール機能を使っていた場合、簡単インストール履歴に表示される内容と変わってきます。
ヘテムルの管理画面→簡単インストールと進むと、過去に簡単インストールを使ってインストールしたワードプレスの一覧が表示されます。
データベース名も書かれていますが、インストールした時点なので間違わないようにしましょう。
まぁ、間違ったとて、旧データベースなので新しい方のサイトに影響が出るとも考えにくいですが、今後サイトに何かしらの問題があったときに、データベースを一度変えたことを忘れないようにしておきましょう。
データベースの移行作業 まとめ
以前からやらなければならないと思っていたデータベース移行。
ワードプレスの内部での警告が出ていること以外、特に必要性を感じていなかったのでだいぶ腰が重かったですが、やってみたら意外と簡単でした。
バックアップを丁寧にやったことで時間と労力がかかってしまった感がありますが、経験上しっかりやらないといけない部分であるので、そこは割愛しない方が良いとは思います。
とはいえ、データベースを入れ替えるという作業は心理的にも負担になる作業。
ヘテムルには「データベース簡単移行ツール」など、素人が挑戦しやすいツールなどを提供してもらえたらうれしいなと思います。
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